今、世界では「持続可能な社会」と「SDGs」が注目されています。
本記事では、国連が採択したSDGsの全体像と、中でも緊急性がある「目標13 気候変動に具体的な対策を」についてご紹介します。
今、世界では「持続可能な社会」と「SDGs」が注目されています。
本記事では、国連が採択したSDGsの全体像と、中でも緊急性がある「目標13 気候変動に具体的な対策を」についてご紹介します。
目次
20世紀後半から温室効果ガス排出量が急増したことにより地球の気候変動は激化し、世界の至るところで異常気象が発生しています。
18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命とそれ以降の技術革新や経済発展により、世界の人びとは便利で豊かな暮らしを送れるようになりました。しかしその一方、地球環境は悪化を辿り、さまざまな歪みも表れるようになりました。
その最たるものがCO2をはじめとした温室効果ガスの排出増加による気候変動です。それ以外にも人類には課題が山積みであり、このままでは生き残ることができないかもしれません。
そこで登場してきたのが、将来世代の欲求を満たしつつ、現在世代の欲求も満足させるような開発が行われている社会を意味する「持続可能な社会」という概念です。
この概念は、1987年に当時のノルウェー首相、グロ・ハーレム・ブルントラント氏が公表した報告書で初めて取り上げられました。地球環境保全と開発は共存でき得るものとして、地球環境を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに基づいたものとなっています。
ここ数年、よく聞くようになったSDGsとはなんでしょうか?
現代の人類は、気候変動だけでなく、貧困や紛争、森林破壊、生物多様性の減少、感染症のまん延など、数多くの課題に直面しています。
このような課題を解決していくために、2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。このアジェンダで持続可能な開発目標として定められたのが、SDGs(Sustainable Development Goals)です。
このSDGsでは2030年を達成期限として、「17の目標」と具体的な目標である「169のターゲット」が掲げられています。
「17の目標」には、環境問題や貧困問題、教育の格差、ジェンダーによる不平等、労働問題、生物多様性の減少など、人類が直面しているさまざまな課題を解決・改善していくことが盛り込まれています。これらの課題を克服していくことで、誰一人として取り残さない、多様性と包摂性を持つ持続可能な社会を実現していこうとしているのです。
このSDGsの「17の目標」のうち、「気候変動に具体的な対策を」という課題が掲げられた「目標13」に着目してみましょう。
異常気象はいまや、国境に関係なく世界至るところで起こっています。このまま具体的な対策をとらなければ、世界の年間平均気温が2100年までに最大で5.7℃(1850年∼1900年のを基準とした場合)も上昇する見込みとなります。そのとき、日本の夏の最高気温は連日40℃以上を記録し、巨大台風が何度も襲来するような状況に陥るでしょう。
そこで、この気候変動を抑えるため、「目標13」に以下のようなターゲットが掲げられています。
気候変動を抑えるためには温室効果ガスをできるだけ出さないことが必要不可欠です。そこで、SDGsの「目標7」に掲げる「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、温室効果ガスを排出しない再生可能なクリーンエネルギーに取り組むことを目標としています。
私たち一人ひとりが生活の中で省エネを意識することや、クリーンなエネルギーを選択することはとても大切なことです。それと同時に、企業や自治体が気候変動対策に積極的に取り組むことが重要視されています。
積極的な気候変動アクションを起こし、地球環境を守っていくことは、持続可能な社会を維持するためのベースであり、すべてのステークホルダーのために真正面から取り組むべき重要な経営課題です。国内、海外の多くの企業が、さまざまな取り組みを行い、製品やサービスを通して気候変動対策と持続可能な社会の実現に大きく寄与しています。
私たち一人ひとりや、企業、自治体が一丸となり、取り組んでいくべき課題がSDGsです。私たちが今後も幸せな日々を送っていくためには、SDGsで掲げる目標を達成していくことが必要不可欠大切です。SDGs は難しいものではなく、身近なものと考え、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか?
外務省:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
環境省:
https://www.env.go.jp/press/107008.html
JCCCA:
https://www.jccca.org/download/43044
IPCC:
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-cycle/